野球も大好きな筆者ですが、プロ野球のマスコットも大好きなだったりします。
今回はマスコットの中でも指折りの人気を持つ、ヤクルトスワローズのつば九郎について紹介したい。
あまりにも畜生な性格に野球ファン以外からの人気も高い。
つば九郎とは
つば九郎とは東京ヤクルトスワローズのマスコットキャラクターだ。
あまりにも腹黒く、自由奔放な性格から、「つば黒う」「畜生ペンギン」と呼ばれている。
1994年にデビューして以来、ヤクルトでの試合に出場し続けており、マスコットとしては史上初のホーム試合1000試合出場を達成し、現在2000試合連続出場を目指している。
何の気なしに見るとペンギンにしか見えないが、一応「つば九郎」という名前の通りツバメである。
ただし「畜生ペンギン」と呼ばれているようにツバメ要素は全くない。
自由奔放過ぎる
つば九郎の魅力はあまりにも自由奔放過ぎるキャラクターだ。
あの中日のドアラを持ってしても「あの方、自由奔放さでは、ボクの上を行くヒト」と評価するほどの自由奔放さ。
ドアラとつば九郎が余りにフリーダム過ぎるが、決してプロ野球のマスコットは総じてフリーダムなわけではない。
中日のマスコットの鼻の穴にバットを入れるのは序の口で、バズーカで脅したり、蹴っ飛ばしたり、グラウンド整備している人に水をぶっかけたり、プロ野球選手だろうと赤の他人だろうと誰でも関係なく自由奔放に振る舞っている。
腹黒い
普通の人間ならヤバくて触れられないような内容のものを、ペンギンだからといってタブーに切り込みまくるのも、つば九郎の魅力だ。
上の画像の通り、謹慎中のベッキーにテレビを通じてメッセージを投げかけたり、東京オリンピックのロゴ問題を揶揄したり、持ち前の腹黒さでシリアスな笑いを誘うのが得意。
初期はツバメっぽかった
そんなつば九郎は一朝一夕に作られたわけではなく、初期は「誰だお前」と突っ込みたくなるほどシュっとしていて、顔つきも凛々しくいかにもツバメっぽかった。
年月とともに表情を失い、メタボ体型となり、足も短くなってしまった。腹黒さが際立ってきたのもここ10年以内の話だ。
人気も凄い
ヤクルト自体の世間への露出が少ないので、世間的にはそれほど認知されていないが、コアなファンからの支持が根強く、ネットではドアラとつば九郎が人気を二分している。
意外にも女性ファンが多く、2011年のバレンタインデーには青木宣親、由規に続いて3番目にチョコレートを貰っていたりする。
ライバルであり仲良しのドアラとは毎年クリスマスディナーショーを開催していて、お一人様2万円もするのに定員500人の席がわずか30分で完売してしまうほどの人気ぶり。
もはや二人が並んでいる絵面だけでも面白いが、この二人よりも人気のあるプロスポーツ選手は数えるほどしかいないかもしれない。
どさくさに紛れてグッズ展開をしていて、ぬいぐるみ販売や本の執筆もしている。
毎年おなじみの契約更改
さてそろそろ本題に入って、契約更改の話にしよう。
つば九郎は毎年オフシーズンになると、プロ野球選手のように契約更改をするのが定番になっていて、毎年何かしらの事件を起こすので、今やスポーツメディア以外も取り上げるほどの注目ぶりだ。
この下では毎年の契約更改の様子を紹介しているが、妙に長くなってしまったのであらかじめ年俸の推移を紹介しておこう。
年俸2896円 + ヤクルト飲み放題 | |
年俸8960円 + ヤクルト飲み放題 | |
年俸1万円 + ヤクルトとタフマン飲み放題 + 遠征時ビール2杯 | |
年俸1万円 + ヤクルト400とタフマン飲み放題 + 遠征時ビール3杯 | |
年俸1万2000円 + ヤクルト400とタフマンと蕃爽麗の飲み放題 | |
年俸9000円 + ヤクルトとタフマンドライ飲み放題 | |
年俸2万2000円 + ヤクルト飲み放題 + ハワイ土産のチョコ | |
年俸2万2000円 |
2009年 – 初めての契約更改
✔ 年俸2896円 + ヤクルト飲み放題
✔ ビジターゲームの遠征費支給
・バック宙ができるようになったら2896万円アップ
・主催試合2000試合連続出場達成で大幅アップ
・WBC日本代表の公式マスコット選出で大幅アップ
・子供を泣かせたらダウン
・ペンギンと間違えられたらダウン
・妹のつばみをいじめたらダウン
この年から毎年契約更改を行うようになった。
初めての契約更改によって、年俸は「つばくろー」を文字って2896円。
実はこれまでヤクルト飲み放題の権利が年俸だったらしいが、これに新たに2896円と、ビジターゲームおよび各種イベントの遠征費が支給されることになった。
球団側も当時急上昇していたつば九郎人気に便乗して、数百万円の遠征費をかけるほどの意気込みだった。
上の画像のように終身契約を要求したが、残念ながらそれは実らず。
2010年 – 腹黒さが出る
✔ 年俸8960円 + ヤクルト飲み放題
・フジテレビ「笑っていいとも!」テレフォンショッキング出演で大幅アップ
・テレビ朝日「ちい散歩」とのコラボ実現で大幅アップ
・TBS「サンデーモーニング」にて張本さんにアッパレをもらったら大幅アップ
・NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」に取り上げられたら大幅アップ
・テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」で特集されたら大幅アップ
グッズ売り上げが3倍になるなど人気急上昇によって1万円超えも期待されたが、昨年の減俸条件を全て満たしてしまったので、8690円での契約となった。
(ちなみに8960円は「ヤクルト」の語呂合わせ)
この時、ソフトバンクと契約でもめていた杉内俊哉を皮肉って「すぎうちくんも はんおそう」と発言。
さらに市川海老蔵の暴行事件が世間を賑わせていたこともあって、来季の目標は「ちーむは びーるかけ したいです。こじんてきには、にしあざぶのちあんをまもります」とのこと。
この辺りから毎年何かネタを提供するようになってきた
2011年 – 初の大台突破
✔ 年俸1万円 + ヤクルトとタフマン飲み放題 + 遠征時ビール2杯
✔ 出来高は昨年と同じ
都庁前駅で「1日駅鳥」イベントを行い、ファンサービスとして駅前を巡る「つば散歩」も精力的にこなしたことで、年俸2万8960円が期待されたが、今年も全ての減俸条件を満たしてしまったために1万円での契約となった。
ただしマスコットでの1万円の大台突破は史上初の快挙。
さらにタフマンとミルミルの飲み放題も要求したために、契約は一旦保留となったが、結果的に「ヤクルトおよびタフマンの飲み放題、遠征した時にはビールをピッチャー2杯」で折り合いをつけることになった。
この年もソフトバンクで契約で揉めて、FAで巨人に移籍した杉内を皮肉って「しゅうしんけいやくも」と発言している。
来年の目標は「まずは ゆうしょう! いいおよめさんをみつける」とのこと。
2012年 – 突然のFA宣言
✔ 年俸1万円 + ヤクルト400とタフマン飲み放題 + 遠征時ビール3杯
✔ 出来高は昨年と同じ
急上昇中の人気に浮かれたのか、球団の了承もなく勝手にFA宣言をしてマスコットとして雇ってくれる企業を公募することに。
しかし選手は冷ややかで、宮本慎也は「出て行きたければ出て行けと。だらだらやるなら出ていって構わないですよ。自分で権利を行使したので。残ってくれなんて言わないです。 残ったときは覚悟しておけよと。ビビっているみたいですけど(笑)」と発言。
結果的にJリーグのFC東京、川崎フロンターレ、プロレスのZERO1、果てはあのGoogleに至るまで22社が獲得に乗り出したが、、結果的につば九郎は残留を決めることに。
年俸は大幅増の2万8960円を提示されたが、騒動を起こした責任を取って現状維持の1万円となった。
残留を決めた理由はロンドンオリンピック男子メドレーリレーでの松田丈志の名言をパクって「みやもとさんを てぶらで かえすには いかないでしょ」とのこと。
微妙に飲み物のグレードが上がっていて、通常のヤクルトからヤクルト400に、遠征時のビールはピッチャー2杯から3杯に増えた。
画像では唐揚げを食べているが、本人はツバメなのはずなのに鶏肉が大好物でもある。
2013年 – 大人の事情で越年
✔ 年俸1万2000円 + ヤクルト400とタフマンと蕃爽麗の飲み放題
(出来高は形骸化しているのでこれ以降省略)
この年は中日の落合GMによる大幅減俸の煽りを受けて、減俸になったドアラの影響を受けて「ことしはすなおにおわるとおもう…」と発言。
簡単に契約するかと思いきや、一転して「おとなのじじょう」で越年することに。
同じ時期にACミランに移籍した本田圭佑のセリフをこれまたパクって「もうひとりの、こころのなかの、りとるつばくろうに、といかけたところ、なっとくするまでやっちゃいなよ!っと」という理由でゴネて、自費キャンプで沖縄に乗り込んだ末に、1万2000円でサイン。
デビューから20周年を迎えたことでご祝儀的な年俸アップとなった。
調子に乗って「ヤクルト ジョア」のCMに出演していた剛力彩芽との共演も要求していたが、当然実現しなかった。
2014年 – 初の減額
✔ 年俸9000円 + ヤクルトとタフマンドライ飲み放題
この年にヤクルトがロッテからFAで成瀬善久を獲得し、ロッテから人的補償ならぬ「鳥的補償」として獲得の申し出があったが、つば九郎がこれを拒否して「まり~んずのみなさん。だんのむらしともかんがえましたが、つばくろうはちばくろうになりません!しょうがいつばくろうです。とりだけにちきんとおことわりします」と生涯ヤクルト宣言をしている。
男を見せたつば九郎は大幅増額に期待していたが、まさかの年俸9000円と初めての減額提示。
グッズショップに年に2回しか足を運ばなかったこと、「つば散歩」の回数が減っていること、チームが2年連続最下位に沈んだことが減額の理由。何気に飲み放題の種類も2つに減らされている。
減額にご乱心のつば九郎は年末の有馬記念につぎ込んで増やそうと目論んでいた。
2015年 – ついに2万円超え
✔ 年俸2万2000円 + ヤクルト飲み放題 + ハワイ土産のチョコ
この年ヤクルトが14年ぶりに優勝し、球団側が「優勝旅行でそれどころではない」として越年での契約となった。
つば九郎は大胆にもトリプルスリーを達成した山田哲人の年俸と同じ2億2000万円を要求するも、球団社長から提示された金額は2万円。
優勝旅行に連れて行ってもらえなかったことを恨み節に語るなどごねた結果、山田哲人の1/10000にあたる2万2000円でのサインとなった。
この年は飲み放題がついにヤクルトだけになってしまったが、社長からハワイ旅行土産のチョコレート(3000円相当)を受け取っている。
アップした年俸の使い道は「こんや あざぶで パトロール」とのこと。
その後、ついに侍ジャパンの親善試合にドアラとともにマスコットとして参加することも決まり、名実ともに球界を代表するマスコットになった。(ただし公式マスコットは別に存在するので出来高達成はならず)
2016年 – まさかの遅刻
✔ 年俸2万2000円
✔ 飲み放題の権利は不明
2016年もまた”大トリ”での契約更改となったが、今年はつば九郎がまさかの遅刻をしてしまう。しかも3時間も。球団から交渉の場に入れてもらえず、一方的な形で現状維持でのサインとなってしまった。
球団からのメッセージはこのようになっている。
「毎日、お疲れ様です。
ヤクルト球団は、本年の業務は終了しました。
遅刻は良くないよ。
来年は酉年なので、つば九郎の年にしてください。
社会鳥として自覚を持ってパトロールに取り組んで下さい。
って事で現状維持です。
インフルエンザにも気をつけてね。」
現状維持のところを勝手にアップに書き換えるなど相変わらずのつば九郎の来年の抱負は「ますこっとしじょうはつ 3ねんれんぞく とりぷるすりーをねらいます」とのこと。
山田哲人の目標そのままだが、いつの間にかつば九郎の中では2年連続トリプルスリーを達成していたことになっていたらしい。
一方的にサインさせられてしまったので、毎年恒例の飲み放題のオプションは不明。
まとめ:つば九郎
マスコットとは思えないほど自由本舗さと腹黒さを持ち、マスコットの枠を超えた活動をし続けているつば九郎。毎年紆余曲折はあるが、何だかんだ推移を見ると年俸を着実に上げてきている。
ちなみに仲良しのドアラはお金ではなく食パンでの契約となっており、年俸査定に厳しい中日だけあって減額になることも多い。
マスコットでは前人未到の主催試合2000試合連続出場を達成すれば年俸大幅アップとなるので、今後の動向にも期待だ。